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朝鮮戦争の戦火をくぐり抜けてきた象牙牌。韓国では第二次世界大戦まで麻雀は盛んだったが、解放後、朝鮮戦争を経てほとんど行われなくなった。この牌の存在により、1索が銅銭背負い鳥という中国北部の古い意匠が韓国にも伝わっていたことがわかる。花牌の財神は中国風でなく、韓国の両斑(貴族階級)に近くなっていることからも、韓国産と見て間違いないだろう。戦火に焼かれて変質しているうえに欠牌も多いが、20世紀初頭の日韓併合前後までさかのぼるものとみられ、韓国の古い麻雀事情を知るための貴重な資料である。
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タイで使われているプラスチック麻雀牌で、香港メーカーが製作したもの。とにかく花牌が多く、その数8種32枚。「春夏秋冬」「梅蘭菊竹」「漁樵耕読」「琴棋書画」に、京劇「聚寳盆」の富豪・沈仲栄と聚寳盆、太公望と魚、「鶏虫得失」の故事にちなんだ鶏とムカデ、「窮鼠」の猫とネズミ。さらに「花合喜元」「総萬筒索」のオールマイティ牌と、まさに百花繚乱の華やかさである。
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